初めての妊娠 ~旅立ちの日~
初めての妊婦検診日。
妊婦生活が始まるんだなぁとドキドキ。
受付で母子手帳を出して、
採尿提出して体重と血圧測って、
さっそく経膣エコーで確認。
・・・。
自分で見ても明らかに前回と違ってることに気がついた。
赤ちゃんの心臓が動いていない。
ピコピコ動いていた心臓が動いていない。
まさか…。
嫌な予感がそのとおりになってしまった。
エコー後に夫と一緒に説明を受けた。
「前回心拍確認できた赤ちゃんですが、
今日のエコーで心臓が止まっていました。」
「残念ですが、子宮内胎児死亡という診断となります。」
「大きさは週数通りの大きさで、おそらくここ1~2日で亡くなってしまったと思われます。」
出血も腹痛もなくて自覚症状が全くなかった。
先生に告知されても、実感がわかなかった。
なんで?なんで?本当に止まってるの?
と同時に涙があふれてきた。
待ってる時も夫がやさしく肩や手を握っててくれた。
10週での胎児死亡。稽留流産。
12週未満での流産は全妊娠の10-15%に起こりうること。
この確率が低いものなのか高いものなのか。
私の身の回りに流産した人なんて聞いたことなかった。
きっと聞いたことなかっただけなんだろう。
自分が知らなかっただけなんだろう。
子どもを授かるのも奇跡。
子どもを産めるのも奇跡。
命が誕生することは奇跡の連続。
自然に出てくるのを待つ方法もあったが、
はやく赤ちゃんを出してあげたかったし、
今後のカラダの回復を考えて、
数日後に手術を受けることにした。
そして手術当日。
最後おなかに手をあてて赤ちゃんへ話しかけた。
「ありがとう。また戻ってきてね。」
正直、悔しかった。
なんでわたしが?なぜこうなるの?
手術が終わってベッドで横になってると、
妊婦検診の声や心拍音が聞こえてくる。
私と同じくらいの週数の妊婦さんも何人かいた。
さすがにあの空間は辛かった。
きっと経験したことないと気がつかないこと。
きっと経験してないと気にならないこと。
普通のココロを持った人なら、
あの空間でのあの数時間は生き地獄。
おかげで、
いろんなことを考えることができた。
世の中にはいろんな人がいる。
うまくいかないこともある。
わたしは今回うまくいかなかった。
正直、私は流産を診断されてからめちゃくちゃ落ち込んだ。
たくさん泣いた。泣きすぎた。
赤ちゃんのところに一緒に行こうかなと何度も考えた。
でも一緒にいてくれる夫の心強さに
何度も助けられた。
夫も泣き顔は見せずとも涙をこぼしているのを私は知っている。
父親になることを実感し始めて、
毎日おなかに話しかけてくれてた夫。
悲しんでるのは私だけじゃないんだな…。
1週間後。
夫と水子供養へ行ってきた。
悲しみは癒えることはないと思う。
でもまた戻ってくる日まで待とうと思う。
きっと、赤ちゃんは忘れものを取りに行っただけ。
またすぐに戻ってくるよね。
12月19日。
私たちの赤ちゃんの旅立ちの日。
ありがとう!